表面的には、ワインのバランスの考え方は理解しやすいようです。 1つの要素が支配的ではないため、とりわけ、ワインのアルコールレベルは高すぎず低すぎず、残留糖度はワインのスタイルに適切であり、オーク由来の特徴は他のアロマとフレーバーに比例し、そのタンニンレベルは、ワインの他の成分と調和しています。

ワイン評論家や審査員は、品質評価の要となるバランスをとることがよくあります。現在アジアのクリスティーズワイン部門の責任者であるチャールズカーティス（MW）は、ワインの品質を評価するための青写真として、頭字語BLIC（バランス、長さ、強度、複雑さを意味する）を私に教えてくれました。

ワインが高品質であるためには、バランスが取れていなければならないと今でも信じています。しかし、私はその言葉が世界中のワインメーカーやテイストメー​​カーによってどのように解釈されているのか、ますます心配しています。

いくつかの文脈では、それは高アルコールレベルに対する推奨として認識されているようです。また、ワインの主な果実の特徴をダイヤルバックすることが求められる場合もあります。

カリフォルニアを拠点とするシャルドネとピノノワールの生産者グループである「バランスの追求」は、バランスがアルコールレベルの議論に限定されないことを示唆しています。しかし、この4月にニューヨーク市でテイスティングを行ったメンバーが注いだワインの大部分は、アルコール度数が14％未満でした。

いくつかのワインを楽しんだものの、カリフォルニアワインで慣れ親しんだ丸みと豊かな食感に明らかに欠けているものがたくさんありました。要するに、彼らはあまりカリフォルニアの味がしませんでした。

これとは別に、世界の半ばで、2011年11月のニュージーランドシャルドネの審査で、私は別の審査員から、彼が下品すぎると判断したワインを支持したとして丸く非難されました。ワインの純粋な美味しさにもかかわらず、ワインが抑制とバランスに欠けていることに気付いたこの評論家は、金メダルの表彰台からそれをぶつけました。

トロピカルにフルーティーで、オークの熟成による明白なバニラとバランスの取れた、ギズボーンスタイルのシャルドネの良い例として私はそれを擁護しましたが、彼は「シャルドネのスタイルかもしれませんが、もはや受け入れられるスタイルではありません」と語った。

これらの2つのバランスの例は、素晴らしいワインの定義的な特性としての用語に関するいくつかの問題を示しています。

まず、低アルコールまたは最小限のオークの影響を意味するための代理としてのバランスは誤った呼び方です。ワインは、アルコール度数が5〜20％で、オークなしから100％新しいオークまでさまざまなレベルでバランスが取れていることをお勧めします。数字だけでは、バランスを単独で確実に判断することはできません。

第二に、このバランスの追求は、完全な生理学的熟度と新しいオークの乱用の追求と同じように、ワインのスタイルを均質化し、地域のアイデンティティを曖昧にする可能性があります。ジャミーと同じように、熟しすぎたブドウから作られたオークの多いワインは、その品種の特徴と場所の感覚を失います。熟していないブドウから作られたワインもそうです。

第三に、わずかな不均衡が特定のワインを他のワインと区別するものであることを忘れないでください。メーコンのシャルドネに灰色かび病を少し加えると、エキゾチックなエッジが生まれますが、アペラシオンとしては異例のマークです。揮発性の香りがキンタレッリのワインに独特のセンスを与えていますが、それらのワインはヴェネトで最も賞賛されています。アメリカンオークの広範な使用は、シルバーオークの大成功を収めたカベルネソーヴィニヨンの特徴です。

バランスは確かな理論的構成ですが、個々のワインのバランスがどのように認識されるかは、各テイスターと、砂糖、アルコール、酸、タンニンなどのさまざまなワイン成分に対するテイスターの許容度によって異なります。経験豊富な2人のテイスターが、ワインのバランスが取れているかどうかで異なる可能性は十分にあります。

最終的に、ワインメーカーがさまざまなバランスのビジョンを追いかけている間、最終的な決定は消費者であるあなたに委ねられます。数字と説明は、ワインについて多くを語ることしかできません。ある時点で、自分で味わい、味覚のワインの要素を量り、ワインが自分にバランスが取れているように見えるかどうかを確認する必要があります。